界隈の民度のせいで楽しめなくなってしまった話

 

 ここ数日間ずっと、思い出しては泣いてしまう。自分の気持ちを整理したいので、ブログエディタを開いてみた。この記事を読んで「随分とタイトルが誇張表現だな」と感じる方もいるかもしれないが、私はこの出来事がきっかけで大好きだったものが素直に楽しめなくなってしまった。初見の方でも読みやすいように、界隈で使われている語句を 所々別の言葉に置き換えている。その点を留意して私の話を少しだけきいてほしい。

 

 私は、とあるゲーム実況者グループの視聴者である。このグループは毎年、年末になると、有料ファンクラブの会員に限り『年賀状企画』というものを行う。これは、応募時にメンバーを1人だけ選択すると、そのメンバーから年賀状が届くといったなんとも素敵な企画である。選べるメンバーは11人。私たち視聴者は毎年この時期になると、どのメンバーから年賀状を貰おうか頭を抱えて悩むのである。私自身、昨年の2月頃から有料ファンクラブの会員になったため、この企画への参加自体は今回が初めてだった。

 

 話は変わるが実はこの企画、メンバー全員分の年賀状を入手すること自体は可能なのである。応募の規約には「1アカウントにつき1枚まで」と表記されている。つまり、有料ファンクラブのアカウントを11個作り、ひとつひとつ応募していけば、メンバー11人分の年賀状が手に入るのである。これを見越してか、応募条件には「住所の重複による除外はない」と記載されている。加えて、複数アカウントでの応募自体は認められており、先人ファンたちもこの方法で応募しているようだった。有料ファンクラブの料金は550円。メンバー全員分の年賀状を応募しても、550円×11アカウント=6050円。諭吉を出してもお釣りが返ってくるのはオタクにとってはわりと嬉しい価格ではないだろうか。アカウントを複数個作らなければならないという手間はあるものの、先人ファンたちの助言もあり、私はきちんと一枚一枚に550円を出してメンバー全員分の年賀状を応募することにした。

 

 そして2021年1月1日、自宅には無事メンバー全員分の年賀状が届いていた。一番好きなメンバーからの年賀状は特に嬉しくて嬉しくて、何度も読み返した。数分後、この喜びが冷めないうちに今の気持ちを綴らねばとTwitterを開いた。今思うと、開かなかった方がよかったのかもしれない。

 

 「●●さんの年賀状を応募したので、それ以外のメンバーに応募した方は交換しませんか?スキャンするので画像交換しましょう!」

 

 「1アカウントにつき1枚まで」という規約があるにも関わらず、あろうことか有料特典を複製して配布しようとしているのである。私は驚いて思わず口が開いてしまった。Twitterのタイムラインをスライドしていくと、どんどんそのような旨のツイートが流れてくる。しばらくツイートを眺めていてようやく理解した。彼女たちは550円を元手に、残り5500円分の年賀状をタダで見ようとしているのである。私は急いで「グループ名 年賀状 交換」Twitterで検索をかけた。秒単位で続々とツイートが流れてくる。指の震えが止まらなかった。


 落ち着いて応募フォームを再度確認してみたが、交換が認められているといった記載はなかった。ただただTwitterなどSNSでの画像公開はお控えください」といった記載だけが目の前にある。彼女たちは一体、何をもって交換募集ツイートをしているのだろうか?疑問だけが広がる。後から知ったことだが、どうやら数年前にメンバーたちが「友人間での見せ合いっこならいい」と言っていたらしい。交換募集ツイートをしている人たちは、その発言を言い訳にしているようだった。それにしても、SNSで堂々と有料特典の複製を募るのは如何なものだろうか?例えばの話だが、友人間と漫画の見せ合いっこをするとき、わざわざスキャンをして複製し、それを渡すものなのだろうか?というか、その行為を友人間ですらない不特定多数から堂々と募集するものだろうか?「ちょっと頂戴」と食べ物をシェアする次元ではない。むしろ"交換"と表現していいような生温いレベルではないように思える。

 

 6050円を支払ってメンバー全員分の年賀状を手に入れた者と、550円を元手にメンバー全員分の年賀状をタダで手に入れた者、この双方が得られた情報量が全く同じだという事実に、私はだんだん悲しさがこみ上がってきた。注意喚起をしてくれる優しい方々も沢山いたが、それを越える交換ツイートの数に今は半ば諦めムードが漂っている。

 

 私は、「1アカウントにつき1枚まで」という規約に沿ってきちんと一枚一枚にお金を出した。友人には「きちんと公式に貢いだんだから偉いよ」と言われたものの、これは"貢いだ"というよりかは、自分のために出したお金という認識の方が大きい。メンバーの年賀状が見たいという欲求を満たすために、それ相応の対価を出して、自分のためにお金を出したのである。結果、対価分の情報を得ることができたものの、交換ツイートの存在により、"自分のために使ったお金が踏みにじられてしまったような気分"だけが残った。何とも後味の悪い結果である。怒りと悔しさに、気づいたら涙が出ていた。

 

 微力だが、グループには意見メールを送ってみた。とりあえず、グループを応援するために作ったTwitterのアカウントはログアウトした。寸前にも交換ツイートが流れてきたので余計に気が狂いそうになった。今後どうするかはこれから気持ちが落ち着いたら考えていきたい。

 

 私は一体どうしたらよかったのだろうか?規約とモラルを無視して、私も交換ツイートをすればよかったのだろうか?しかしそんなことをして堂々と「ファンです!」と言えるような図太い精神は、残念ながら私には無い。

 

 

 

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以下本当にあった交換募集ツイ主の言い訳集

 

●「現物じゃないから別にいいじゃん」

 いや…。私たちがこの年賀状に最も価値を見出しているものって、年賀状に詰め込まれたメンバーの情報ですよね?そうじゃなかったらあなたは一体何に価値を見出しているのですか?ぜひ教えてください。それが画像だけでも得られるものだったらこの言い訳は通じませんよ。

 

●「Twitterの相互さんはお友達だからシェアしてもよくない?」

 私も辞めろとは言いません。お友達同士なら見えないところで、DMでこっそりシェアすればいいと思います。メンバーも言っていた所謂"見せ合いっこ"です。それを白昼堂々と交換募集ツイートをしているから怒っているんです。なかには、交換のためにFF外から声をかけた方に対して「これはネットの友達」と言い訳をする人もいて目眩がしました。いやそれ取引相手でしょ…。

 

●「現金はあるけど、使用できる決済方法がなかったから仕方がない」

 これには驚きました。「支払えないから無料でください」とはなりませんよね?迷惑系YouTuberのネタかよ。